実はオフィシャルに公開されている種具の基本
体操協会のほうから、種具に必要な基本の動画って実は公開されている。
例えば下記はボールの場合だが、
持ち替え、転がし、つき、投げなどの種具操作の基本動作がカバーされている。
しかもベースがちゃんとした選手なので見本としても正しい。
意外とこういう情報が馬鹿にできない。
ちなみにお手本動画だけあって、さりげなく体の中心軸がまったくずれないところがすごかったりする。
新体操の親の負担はどれくらいかかるの?
「か~ちゃんが夜なべ~をして、てぶく~ろ編んでくれた~」
を地でいく世界が新体操選手の世界だ。
(おそらく他のアスリート系のスポーツの親もガチだと似たり寄ったりだろう)
負担は一般コースと選手コースで天と地ほど変わる。
一般コースなら練習はせいぜい週1-2回。あと年に1回の発表会があるのでそれに参加するので、せいぜいピアノや水泳を習うのとそんなに変わらない。
選手コースになると激変する
練習は週5~7回。しかも夜まで。
そのため親の送り迎えは相当大変である。共働きなんて夢の世界かもしれない。
最初は良くても、中学3年や、高校3年までなどそれが延々と続くという覚悟がいる。
さらに手芸。
発表会の衣装や小道具、さらには試合用のレオタードの飾りつけなど、
結構手芸が大切。冒頭のくだりはリアルなのだ。
そして親同士の連絡やコミュニティも町内会やPTAレベルをはるかに超える。
子供が最高の状態で練習・試合できるためにはいろんな連携が大事なのだ
最後に経済的にもほぼ毎日の練習なので月謝とガソリン代が飛んでいく。
それでも頑張る娘のために親御さんたちはみんな頑張っている。えらいと思う。
いっぽうでやっぱり途中で悲しくも辞めていく方々もいる。
そういう方々を私は否定しない。よく頑張ったとも思う。だって大変だもん。
ただし、先生方も悲しむし、親側も罪悪感だし本当に誰も得しない悲しい出来事だ。
そういう世界だと知っておいたほうがいい。
そして知ったつもりでも、やっぱり体験してみないと分からない大変さはある。
つま先をのばそう
娘もI字バランスができるようになり子供ってスゲーなと感心していたが、
先生からはいつもダメ出しをうける。
それが「つまさき伸ばす」
伸びてないだけで競技だったらバッサリ減点になる。
つま先を伸ばすというのは、
- 足の親指まで丸まっている
- 足の甲が丸まっている
ような要素であり、
あくまで美しさが求められる新体操において、基礎中の基礎中の基礎くらいの基礎なんだそうだ。
つま先に限ったことでなく、この競技を見ていると、種具を落とさないとか、なんだか回転ができたとかで子供は「できてる」と感じるようなのだけど、先生や審査員は目線が3段くらい上でバッサリと「できていない」と判断するので、
どれだけ子供たちがまじめに先生の注意をを拾えるかというのも大事な要素であると感じる。
親としてはI字ができただけでほめてあげたいが、厳しい競争環境を見据えて冷ややかな目で見てくださる先生方にはやはり感謝しかない
新体操の盲点 実はバレエが大事
うちの娘は固い。体は柔らかいが動きが硬い。ロボットのように入力したコマンドをひたすらがんばって繰り返すような、まじめだが優雅ではない不器用な踊りをする。
一方で、同い年なのにとってもエレガントな動きをする子もたくさんいる。
腕の動きが波打つように滑らかで、手先まで延びていて美しい。
何が違うのか?
一つ大きな理由にバレエ要素がある。
前に紹介した橋爪先生の本で一番衝撃的だったのが、
「100ページ中10ページ(&いたるところで)がバーレッスン(バレエ)の練習をしろと書いてあったこと」
橋爪先生によれば、
- 20年前はごく一部の強豪クラブだけがやっていたのがバーレッスン
- バレエは新体操のレベルを大きく引き上げてくれた
- 美しく、正しい新体操への近道かつ王道、それがバレエ
- 毎日バーレッスンを続けることが大事
そんなことは知るよしもなく、娘にはバレエようなメジャー競技よりもマイナーな新体操をつつましくやらせようと考えていたのがわたくしDADRG。
この時点で、私の思考回路は
「バレエか新体操か?」
なのだが、根本的に間違っている。
「バレエは新体操の大事な要素」なのだ。
なんなら新体操なんて、バレエの派生程度のものかもしれない。
だからいろんな名門新体操教室はバレエレッスンを入れているし、上手な子はもともとバレエをやっていたり、感度のいい方々は娘を新体操とバレエ両方習わせていたりする。
ちなみにフェアリージャパンも当然やっているし、元フェアリーの畠山選手もバレエは早くやっておけばよかったと語っている
なんでこんなこと書いているかというと、
「早くそういうこと教えてよ~」
と思うくらいあまりにも新体操に関する情報ってないからだ。
このブログの目的でもあるのだけど、
あまりにも新体操に関する情報って閉ざされている。
マイナー競技であるためそもそも情報が少なかったり、一子相伝的に先生・生徒の間での阿吽の呼吸で成り立っていたり、教室ごとに方針が違っていたり、送り迎えで必死で親御さん同士のコミュニケーションもそこまでないだろうからしょうがないんだろうけど、知っておくべき要素をもう少しオープンにする場があるべきと感じる。
そういう体験て皆さんないですかね?
新体操の体づくりとは?
偉そうなタイトルをつけてるが、基本的に日体大准教授の橋爪先生の本に書いてあることをかいつまんで説明している。
要するに新体操の体づくりとは
- 柔軟性
- 筋力
- バーレッスン(バレエ)
- アイソレーション
- 身体難度
- あとは応用
なんだそうだ。
私の場合、柔軟性、筋力、身体難度はぼんやり分かっていたが
バーレッスンとアイソレーションは盲点だった。
バーレッスンはバレーの動きをちゃんとしようということ。
アイソレーションは雑に言ってしまえば、しなやかな動きができるようになる特訓であり、難しく言えば首・胸・腰などそれぞれの部位を独立して動かせることで連続したなめらかな動きを手に入れるとのこと。
前に蛇動と波動の話を記事で書いたが、この本を読んだうえで、改めて上手な選手の動きをみて気づいたことだった。
新体操はとにかく体が柔らかければいいですよということを考えがちな私にような素人や何も分からない娘にとってはかなりまともな情報だったのだが、他の人たちってどうやってんだろ???
というかこの本のシリーズ(ボールやリボンなど網羅的にカバーされ発行されている)、なんでもっと早く出してくれなかったんだろうというくらい衝撃をうけた。
(特にバレエについてだったのだが、それはまた別途書きたい)
競技人口少ないのか、マイナー種目だからなのか、たぶん本を出版してもそもそも儲からないからなのだろうが、橋爪先生ありがとうと個人的には言いたい。
そして、柔らかく、筋肉もあり、しなやかに動き、バレエのような動きを備えつつ
4種類くらいの種具を巧みに操るこのスポーツの選手の努力ってすごいんだなって思う。
柔軟のカリスマ たくみ先生
新体操選手に柔軟は必須である。そんなことは誰でもわかっている。
そんな中で嫁が柔軟のカリスマを見つける。
たくみ先生。
https://www.instagram.com/ir_takumi/?hl=ja
もと商社マン。
かなづちのように硬かったが柔軟に目覚め、ものすごく柔らかくなったおじさん。
日本全国をまわり今日も柔軟を指導する。
同じ男として怪しいと思うところだが、嫁が娘に試してみたら本当に効果があったので認めざる負えない。
うちの子が柔軟するうえで、バックルバランス(たくみ先生の本だとビールマン)が本当にできずだいぶ苦戦していたのだが、たくみ先生の本でだいぶできるようになった。
この本何がよかったかというと、以下の3つ
- 無理な柔軟をさせない
- 理にかなったアプローチ
- 細かく練習ステップをわける
1つ目の無理な柔軟はさせないという点は、腰をバキッとおるような古いやり方はしないということ。大人になってからヘルニアになるような無理なやり方をしていない。
2つ目のアプローチは「筋膜をはがす」という考え方。本ではトップギアアプローチとかいう怪しい名前になっていて残念だが、基本的に体が硬いのは皮膚・筋膜・筋肉がくっついているからであり、筋膜をはがすことで柔らかくなるという科学的根拠に基づくやりかた。(例えば信用できそうな情報源であるNHKの下記ウェブサイト参照)
https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2018/138/428044.html
ちなみに筋膜をはがす整体も世の中にたくさんあるので、筋膜はがしが怪しいと思ったら行っているのもありだと思う。一度娘に整体に行かせたが確かに筋膜はがすと柔らかくなる(ただし柔らかくなっても硬い方向へすぐに戻る、これはまた別で書きたい)
3つ目に練習を細かく分けている点だが、I字や前後開脚、ビールマンなど、それぞれやるためにはどういう柔軟が必要かを順番に細かく書いてくれている。
とりわけ娘の場合は本に書いてあった鳩のポーズがかなり効いた。
ただし反復的に子供に毎日やらせるということが一番の困難であったことも付け加えておく。。。
しなやかに動くための蛇動と波動
娘の動きがぎこちない。
要するに3次元的に動いてない。
- 体が縦にしか動いてない。
- 体が前後に動いてない。
- 体が横に動いてない
- 体が回転するようなうねりがない
これは真に基本がなってないからなのだが、まず蛇動・波動とかちゃんとやってないからだと思う。
娘はなめているが、こういう基本なくして、しなやかな動きってできない。
幸いにもコロナ下でフェアリーJAPANが見本動画を出してくれている。
同じ動きを自分の子供にやらせてみて、横から撮影して比較してみてほしい。
たくさんの至らぬ点=改善点がみつかるはずだ。
あ、ちなみにあんまり回転するような動きはなかった。。。